この記事では、台湾カステラの表面が割れないように作るためのコツについて解説しています。
実際に何度も作って確かめた結果なので、台湾カステラをきれいに作りたい!という方へお役に立てる内容となっています。
台湾カステラをレシピ通りに作ったのに、なぜか表面が割れる、冷ますとしぼんでしまう・・・というお悩みがありませんか?
私も実際に作ってみましたが失敗の連続…。写真で見たようなツルンとした表面になかなかなりませんでした。
この解決方法をネットや本を探し、参考になるものをとうとう発見しました!
参考にしたのは「スフレチーズケーキ」の作り方です
この作り方で作ったところ、なんと表面が割れず、しぼまず、腰折れせずにできあがりました!
この記事では、実際に台湾カステラを5回作って検証した、割れる原因と失敗しない焼き方をご紹介します。
何度やっても失敗してしまい、原因がわからない…という方はぜひ最後までご覧くださいね。
それでは以下で詳しく解説します。
ポイントを抑えてきれいな台湾カステラを目指しましょう!
台湾カステラが割れる、3つの原因を解説!
何度も作ってわかった、台湾カステラが割れる原因は以下の3つです。
- 卵白の泡立てすぎ
- 湯煎のお湯の温度が高すぎる
- オーブンの下火と横からの熱が強すぎる
以下で詳しく解説していきます。
台湾カステラが割れる原因①卵白の泡立てすぎ
卵白を泡立てすぎると台湾カステラが割れる原因になります。
固く泡立てたメレンゲは気泡をよく含んで膨らむため、シフォンケーキなどには向いていますが、表面に割れ目を作りたくないケーキには気泡が大きすぎて向いていません。
柔らかいツノが立つくらいの緩やかなメレンゲだと、おだやかに膨らみ表面が割れるのを防ぐことができます!
台湾カステラが割れる原因②湯煎のお湯の温度が高すぎる
湯煎焼きする際に、バットに入れるお湯の温度が高すぎても台湾カステラが割れる原因になります。
お湯の温度が高いと、お湯が当たっている側面と底から一気に生地に熱が加わってしまいます。
原因③の下火が強いこととも関係しますが、台湾カステラの表面が割れないようにするには、ゆっくり膨らませることが必要なのでお湯の温度は熱湯ではなく、50℃〜60℃前後が丁度よいです!
台湾カステラが割れる原因③オーブンの下火と横からの熱が強すぎる
オーブンの下火と横からの火が強いと、生地が下から急激に温められて割れる原因になります。
生地の下と横から急激に熱が加わると、生地が上方向に向けて一気に膨らんでしまうため、まだ焼けていない表面の生地を破ってしまうことになります。これが割れてしまうことの主な理由です。
台湾カステラは生地全体に均一に熱が入るようにするのが重要です
この原因を考える参考になったのは、スフレチーズケーキの作り方です。
卵黄生地とメレンゲを合わせて、湯煎焼きするところは工程として一緒。しかも、表面が割れる、出来上がったあとしぼむ、という悩みも同じでした。
では、割れないように、どうやってオーブンの下火と横からの熱を遮るのか?
具体的なやり方はcottaオフィシャルパートナーのあいりおーさんのレシピに書いてありましたので、ご紹介します。
台湾カステラが割れる原因を解消する3つの下準備!
台湾カステラが割れるのを防ぐため、下火と横火を遮る具体的な方法は3つです。
あいりおーさんのレシピを参考に、実際に私が台湾カステラを作ったときに行った方法です。
- 下火を弱めるため、丸型の底に厚紙を4枚敷く
- 横からの熱を弱めるため、型の側面に厚紙を4枚巻く
- 下火を弱めるため、湯煎型の下にダンボールを1枚敷く
参考にさせていただいた、あいりおーさんの「割れにくいスフレチーズケーキ」のレシピには以下のように書いてあります。
【型の準備】
cotta 割れにくいスフレチーズケーキより引用
①底からの熱を遮断するためにコピー用紙を型の底に合わせた15㎝の丸型に6枚カットしておく。
②側面からの熱を遮断するために側面の周囲余裕をもって52㎝×高さ9㎝に合わせてコピー用紙を4枚準備する。(コピー用紙を横長に半分にカットして高さ9㎝にする)
~中略~
⑤湯煎のスクエア型に下に敷く段ボールを準備する。この段ボールも底からの熱をダイレクトに伝わるのを防ぎます
以下で、実際に私が15cm丸型で台湾カステラを作ったときの方法を詳しくご紹介します。
違う大きさの型で作る場合は、以下の方法を参考に型にあわせて調整してくださいね。
正直、結構めんどくさいですが…頑張ってついてきてください!
下火を弱めるため、丸型の底に厚紙を4枚敷く
台湾カステラの生地を入れる型の底に、15cm丸型に切った厚紙を4枚敷いておきます。
あいりおーさんはコピー用紙を使って6枚敷いていましたが、私は写真のような厚紙を使ったので4枚にしました。
ダイソーで売っている画用紙くらいの厚紙でOKです。実際に使いましたが問題なく作れましたよ。
これで下火の当たりが弱くなります!
横からの熱を弱めるため、型の側面に厚紙を4枚巻く
オーブンの横からの熱を遮るため、型の内側に厚紙を4枚を均等な厚みになるように巻いておきます。
これもあいりおーさんはコピー用紙使って、「高さ9cm×長さ52cmのものを4枚巻く」としていましたが、私はA4の画用紙を縦半分に切り、「高さ10.5cm×長さ30cmくらい」のものを4枚作りました。
生地が膨らむため、9cm〜10cmほどの高さがあると安心です。
生地に直接触れる部分には、あいりおーさんは繰り返し使えるオーブンシートをカットして使っていましたが、私はロール紙をつかいました。ロール紙でも問題なく焼けました。
横からの熱が直接あたるのを弱めます!
下火を弱めるため、湯煎型の下にダンボールを1枚敷く
最後は湯煎焼きをする型の下に、適当な大きさに切ったダンボールを1枚敷いておきます。
ダンボールは何でもOKです。ガムテープや輸送用のシールがついていないように気をつけましょう!
一緒にオーブンに入れるので清潔なものを使って下さい
3つの下準備が終わったあとの型は以下のようになります。
この下準備のあと、下火、横からの熱を遮る型をつかって実際に台湾カステラを作ってみました!
失敗しにくい!割れない台湾カステラの作り方
割れない台湾カステラの作り方は、以下の条件のもと15cm丸型で成功した例となりますので予めご了承下さい。
- cottaさんの「ふるふる食感!台湾風カステラ」のレシピを15cm丸型の分量に変更
- オーブンは「Panasonicビストロ(NE-R3500)30L」を使用
- ハンドミキサーは「Panasonic(MK-H4)」を使用
ちなみに、あいりおーさんの使っているオーブンは「東芝 石窯ドーム 30L 」だそうです。
焼き時間、混ぜ時間はお持ちの道具で調整してみてくださいね
この作り方では、実際にやってみてわかった
- 卵白は何分間、泡立てればいいのか?
- 卵黄生地と合わせるときは何回位混ぜればいいのか?
- バットがないときはどんな容器に水を入れて湯煎すればいいのか?
という疑問も、みなさんができる限り再現可能なように記載しておきます。
よろしければ参考にしてみてください!
作る前の下準備
レシピはcottaさんの「ふるふる食感!台湾風カステラ」と一緒ですが、注意しておきたい下準備を書いておきます。
- 卵白は冷凍庫で冷やしておく
- オーブンは180℃に予熱しておく
- 湯専用のお湯を準備しておく
卵白は冷凍庫で冷やしておく
卵白は冷凍庫でまわりがしゃりっとするまで冷やしておきます。冷やしたほうが泡立ちがきめ細かくなります。
時間は10分くらいでOKです。
オーブンは180℃に予熱しておく
オーブンは生地を焼く150℃+20℃から30℃高めに予熱しておきます。
湯煎焼きの型、焼き型などを入れると一気に庫内の温度が低くなるので、あらかじめ高い温度で予熱しておかないと生焼けなる可能性があります!
生地を入れたら焼く温度の150℃に設定し、180℃から少しずつ150℃に下がっていくのが理想です。
湯専用のお湯を用意しておく
型に入れたらすぐに焼けるよう湯煎用のお湯を準備しておきましょう。
高すぎると台湾カステラが割れる原因になるので、先にお湯を作っておいて、50℃〜60℃に冷めているくらいが丁度いいです。
材料
cottaさんの「ふるふる食感!台湾風カステラ」の分量を15cm丸形に計算し直しました。
計算方法を知りたい場合はこちらの記事に詳しく書いてあるのでご覧くださいね!
- 太白ごま油…53g
- 薄力粉………48g(バイオレット)
- 牛乳…………43g
- グラニュー糖…50g
- 卵………………3個
(卵黄と卵白に分ける)
割れない台湾カステラの作り方
温めた油にふるった粉を一気に入れ、よく混ぜます。
①に温めた牛乳を入れてさらに混ぜます。よく混ぜると粘りが出てきますがこれでOKです。
ここでは回数など気にせず、混ぜ残しがなくなるまでしっかり混ぜます。
卵黄が混ざりきっていないと、卵黄の油分でメレンゲの泡がつぶれ、膨らまない原因にもなります!
ここでのメレンゲの泡だて具合は、「小嶋ルミの決定版ケーキ・レッスン」にあったスフレチーズケーキの作り方を参考にしました。
砂糖を入れるタイミングと泡立てる時間は以下のように調整しました。
- 冷凍庫で冷やした卵白に小さじ1の砂糖を加える
- 低速で2分泡立てる
- 残りの砂糖の半分を加え、低速で30秒泡立てる
- 砂糖の全量を加え、低速で30秒泡立てる
泡立て時間は合計3分。かなり緩めのメレンゲです
先端はクルンと丸くなり、羽根への手ごたえもあまりないほどの緩いメレンゲができました。
出来上がったメレンゲの3分の1程度を卵黄生地にいれて、しっかり混ぜ合わせます。
生地の硬さを同じくらいにしておくと混ぜやすくなります
メレンゲのボウルに卵黄生地を戻し入れ、下からすくうように40回ほど混ぜました。
写真をみてもわかるように、かなり流動性のある生地になりました!
レシピに書いてある深いバットがなかったのでcottaさんの「“失敗”から学ぶ、成功する基本のお菓子」を参考に、18cm丸型を使いました。
18cm丸型にお湯(50℃位)を入れ、その中に生地を流し込んだ15cm丸型をセットし150℃で60分湯煎焼きしました。
上の写真はお湯と生地を入れる前の様子です。
できあがった台湾カステラ!
上記の作り方で作ったところ、割れず、腰折れしない台湾カステラが焼き上がりました!
これには感動!!!
表面にしわがよってしまうのは改善点かもしれません。
ですが、柔らかく、しっとり、しゅわしゅわの食感でとても美味しくできました!
台湾カステラの作り方についてよくある質問
メレンゲを泡立てすぎてしまった場合はどうすればいい?
-
メレンゲを固めに泡立ててしまった場合は、卵黄生地と混ぜる時に混ぜる回数を多くしてみてください。混ぜる回数を多くして、メレンゲの泡を消します(泡締め、泡消しなどと言ったりもします)。上の写真のように流れるようになるくらいまで混ぜてみて下さい。
油を80℃まで温めるのはなぜ?
-
理由は以下の2つです。
- 小麦粉のデンプンを油でコーティングしやすくするため
- 小麦粉が確実に糊化(こか)する温度に近づけるため
小麦粉は水分と合わせて加熱すると50℃位から粘りがではじめます。先に温度の高い油で小麦粉デンプンのまわりを覆っておくと、牛乳(水分)とあわせた時に粘りができにくくなるので、伸びの良い生地を作ることができます。
また、合わせる水の温度が高いほうが、小麦粉は多く水分を含むことができます。さらに、80℃前後で小麦粉デンプンの粘りが最大になります(糊化)。ですので、油の温度を80℃にしておくことで、次の牛乳と合わせた時に一気に糊化させることができるのです。
糊化(こか)とは?糊化とは、小麦粉に水を加えて加熱すると、小麦粉に含まれるデンプンが水分を含んで膨張し、粘りのある状態になること。
しっかり糊化した生地は伸びがよく、オーブンで加熱するとデンプンに含まれる多量の水分が蒸発して、膨らみがよくなります。
ベーキングパウダーは必要?
-
あってもよいですが、なくても作れます。
ベーキングパウダーは炭酸ガスを多く発生させて膨らみを良くし、生地を安定させる効果があります。
ですが、台湾カステラはメレンゲでも十分膨らむお菓子なので、なくても作れます。
割れない台湾カステラ!作り方のまとめ
今までの台湾カステラの記事を総合してまとめると、コツは以下のようになります。
- 下と側面の火を弱める厚紙を準備する
- 卵黄はしっかり混ぜる(乳化)
- 卵白は泡立てすぎない
- 湯煎のお湯は50℃前後
- オーブンの予熱は焼く温度よりも20℃〜40℃高めに設定
- 焼き色がつくまでしっかり焼く(60分前後)
15cm丸型の例でしたが、このやり方を参考にみなさんも台湾カステラを攻略してみて下さい!
お菓子作りは混ぜ方や焼き方の試行錯誤、何度も練習することで、少しずつコツがわかってきます。
もし、もっと上手にお菓子がうまく作れるようになりたい!と思ったら、自宅にいながらプロに習えるオンラインレッスンを受けてみるのもオススメです。
cottaプレミアムレッスンではプロのレッスン動画が1,000円以下で受けられます!台湾カステラでもつかうメレンゲの立て方を学ぶにはシフォンケーキレッスンがおすすめです。
シフォンケーキだけでも3人のシェフのレッスンがあるので気に入ったものを探してみてくださいね。
さらにインスタ映えするお菓子作りがしたい!という方は以下のレッスンも楽しく学べます。
よろしければご覧になってみてくださいね。
コメント
コメント一覧 (4件)
はじめまして!詳しい記事をありがとうございます。検索しても他のサイトでは自分の何がよくないのか結局わからず途方にくれておりまぢたところ、こちらが1番参考になりました。
3回作りましたがこれまでは芋羊羹みたいなものしかできなかったのが、こちらを参考にして、ようやくMakoさんが失敗例として載せていた右側の画像に近づきました🥲
どうして皆さんのように綺麗に焼けないんだろう、、、シフォンケーキも取り出した後潰れてしまうのです。悲しくなります。また作ります。
Maki様
とても嬉しいお言葉を頂きまして、ありがとうございます!
大変励みになります〜〜〜😂
台湾カステラ、3回も作られたのですね!
以前よりも膨らみが出てきたということですから、きっともう少しだと思います。
失敗例の右の写真のようになる、ということなので焼き上がった後に、「しぼんでしまう」ということでしょうか。
しぼんでしまう原因として考えられるのは、
①メレンゲの泡立てすぎ(もしくはかなり緩すぎる)
②焼く温度が低い
③焼き時間が短い
の3つかなと思います。
ただ、以前は膨らみがなかったものが膨らんできている、ということなので、
②焼く温度が低い
③焼き時間が短い
の方が可能性が高いような気がします。
オーブンの温度を測る温度計はお持ちですか?
また予熱は何度でされてらっしゃいますでしょうか?
最初から焼く温度の「150℃」で予熱していると、冷たい天板をオーブンに入れたときに
一気に庫内の温度が下がってしまいます。
ですので、予熱は20℃〜40℃高めで15分以上行い、
オーブンに入れる瞬間の温度は「170℃」くらいから徐々に「150℃」に下がっていくのが理想です。
オーブンの温度は実際に図ってみると表示されている温度よりも、低いことが多いです。
もし温度計をお持ちでない場合は、高めに予熱をして十分に庫内を温めてから
天板と生地を入れてみて下さいませ。
焼く温度が低いと卵の気泡があまり膨らまず、生地も焼き固まっていない状態なので、
時間通り焼いても、生地が弱くしぼんでしまうと考えられます。
ちなみに、私は500℃まで測れる(そんな必要ありませんが笑)工業用の温度計を
Amazonで購入して、生地の温度やオーブンの温度を計測しています。
私が使っているのは、
ご覧になってくださった記事の「牛乳の温度を測る」写真で使っている
TASIというオレンジと黄色の温度計です。
私は2016年に2550円で購入し、今も壊れずに使えています。
現在、同じものは無いようですが、
あまり安いものだと壊れやすい、不正確ということなので、
もし購入するのであれば、3000円前後位のものがいいのかなと思います。
ご参考までです😊
▶赤外線温度計
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また、シフォンケーキも出した後しぼんでしまう、ということですが、
こちらももしかしたら焼く温度が低いことが原因かもしれません。
オーブンの温度が低いため、生地がしっかり焼き固まっておらず、
重さに耐えられなくて沈んでしまうのかもしれません💦
また、すでにご存知かもしれませんが、
シフォンケーキはオーブンの中で膨らんだ生地が
冷めたときに重みで沈まないように逆さまにして冷まします。
もし逆さまにされていないようでしたら、
安定するコップの底を上にして、シフォンケーキの筒部分を逆さにして置くか、
空き瓶に筒部分の穴を入れて、逆さにして冷ましてみてくださいませ。
一生懸命作ったケーキが失敗してしまうと悲しくなる気持ち、よくわかります😣
私も何度も何度も失敗して、冷蔵庫にたくさん失敗作が溜まったことがあります笑
ただ、以前よりも改善しているということは成功まであと少しだと思います!
お菓子作りは実験的な部分も多いので、やはり何回か作ってみて、
何が良くて何がだめだったのかを検証していく作業が必要なのですよね。
オーブンや泡立ての様子を詳しく拝見できないのが残念ですが、
もしよろしければ、また作った結果をお教え下さいませ😊
全力でご返信させていただきます♪
お菓子初心者ですが苦悶苦闘を繰り返し、かれこれ半年近く羊羹を焼き続けておりましたところこちらの手順通りに作れば一発でスフレチーズのような見事なカステラが焼き上がりました。原因はおそらくメレンゲかと思われます。他のレシピは大嘘ばっかりでしたよ、台湾カステラ難しかったですw
大変嬉しいご報告を誠にありがとうございます!
見事な台湾カステラが焼けたとのこと、おめでとうございますヽ(=´▽`=)ノ
試行錯誤された、努力の結果ですね!!
台湾カステラは家にある材料で作れますが、きれいに作るのは意外と難しいですよね。
私も何度も実験して確かめた作り方だったので、
お役に立てて、とてもうれしく思います。
よろしければ、またぜひ作ってみてくださいませ(^^)
コメントを頂けて、私も大変励みになります。
どうもありがとうございました。